「そのさま卑し」
大伴黒主(おおとものくろぬし) 生没年不詳
近江国(現・滋賀県)と縁があるようで、鴨長明の「無名抄」には黒主は近江国の志賀郡に明神として祀られたというくだりがあります。
六歌仙のなかでは唯一小倉百人一首に選ばれなかった人物です。
古今和歌集には3首。紀貫之(補足)の評価は「そのさま卑し。いはば薪を負へる山人の花の陰にやすめるが如し」(歌の在りようがみすぼらしく品がない。いうなれば、薪(たきぎ)を背負う木こりが(美しい)花の陰で休んでいるかのようだ)
代表的な歌
「春さめのふるは涙か桜花散るを惜しまぬ人しなければ」
「思ひいでて恋しきときははつかりのなきてわたると人知るらめや」
「鏡山いざたちよりて見てゆかむ年へぬる身は老いやしぬると」
「近江のや鏡の山をたてたればかねてぞ見ゆる君が千歳は」